NOTE 09 · 資料整理
本文の根拠を後からたどれる調査メモの作り方
一つの主張と資料の該当箇所を結びつける手順。資料ID、確認状態、更新時の見直しを、説明用の原稿で整理します。

URLを集めるだけでは、本文の根拠が分からなくなる
記事の末尾に参考URLを並べていても、どの一文をどの資料で確認したか思い出せないことがあります。書き直しや引き継ぎを考えるなら、「本文の主張」「資料の該当箇所」「確認した状態」の三つを結びつけておくと照合しやすくなります。すべての文章に細かな番号を振る必要はありません。数値、対象条件、手順、日付など、根拠を確認して使う記述から始めます。
長い一文を、確認できる単位に分ける
次は実在するサービスではない説明例です。「受付は平日9〜17時で、誰でも予約なしで利用できる」と書きたいとします。これは受付時間、利用対象、予約の要否という三つの主張を含んでいます。手元の資料に受付時間しか載っていなければ、その資料だけで一文全体を確認済みにはできません。
| 本文に書きたいこと | 照合する箇所 | 状態 |
|---|---|---|
| 受付は平日9〜17時 | S001の「受付時間」 | 説明例では記載あり |
| 誰でも利用できる | 利用対象の案内 | 未確認 |
| 予約なしで利用できる | 予約方法の案内 | 未確認 |
未確認の二点は追加の資料を探すか、確認できるまで本文から外します。「時間の案内を見たから利用条件も同じはず」と、推測で埋めないようにします。
資料IDと見出しを短く控える
- 資料にS001などのIDを付け、タイトルとURLを記録する。
- 該当する見出し、表の行、PDFならページ番号を控える。
- 本文で使いたい主張を自分の言葉で一行にする。
- 対象期間や対象者など、主張が成り立つ条件を隣に残す。
- 確認日と確認状態を記録する。
見出しへの直接リンクがあれば併記できますが、リンクだけに頼らず見出し名も残します。資料が更新されて位置が変わったときに、何を確認したかったかを読み取れるためです。記録方法のひな型は本体の参考資料記録テンプレートを使えます。
同じ資料と、同じ記録を区別する
一つのページから受付時間と所在地を別々に確認したなら、同じURLが二行に現れても、二行とも必要な調査記録かもしれません。重複行削除は文字列の整理に使い、資料ID・該当箇所・確認日まで削除する判断には使いません。掲載画面はA、Bという内蔵サンプルで重複行を整理したもので、この説明例の資料を実際に調査した画面ではありません。
更新時は、本文から資料へ戻る
修正依頼が来たら、本文の主張から資料IDをたどり、現在の原資料と照合します。時間だけが変わったのか、対象者や利用条件も変わったのかを分けて見直してください。資料が見つからない場合は「確認できない」と状態を戻し、以前のメモだけを根拠に最新情報として扱わないようにします。
納品時に残す短いメモ
「S001の受付時間を確認。予約の要否は未確認のため本文に記載していません」のように、確認した範囲と残った課題を分けて渡します。本文で断定していない理由が伝わり、引き継ぐ人が同じ調査をやり直す際の手がかりにもなります。資料の全文や非公開の原稿を、必要以上に共有する必要はありません。